昨年3月に実施した本校沖縄修学旅行に関する記事を本校ホームページに掲載致しましたところ、それを読まれた一部の方から、複数のご意見、ご質問等をいただきました。すでに上記記事は本校ホームページから削除しておりますが、これまでいただきましたご意見等について、本校の考えを述べさせていただきます。
本校は1907年、ルイ・ルラーブ神父(パリ外国宣教会)によって設立されたカトリックミッションスクールです。学校創立以来109年、一貫してカトリック学校として、キリスト教の価値観に基づき、人間一人ひとりを神様はかけがえのない存在として創造され、その原点に立ち、「互いに愛し合いなさい。」という隣人愛の精神に生きるように促す教育活動を展開して参りました。さらに、2003年には現在の校舎に移転し、創立の精神を現代に生きる教育として、宗教教育、少人数教育、体験教育を柱として教育の充実を図っています。中でもボランティア活動をはじめとして、現地に「行く」、「見る」、「出会う」という体験を通して、自分の中にある可能性と他者のために生きる喜びを自ら発見していくことを目指す教育は、本校の上記教育理念の実践において重要なものと位置付けています。
沖縄修学旅行も先に述べた体験教育の一環として実施したものです。
沖縄修学旅行におきましては、上記体験学習の目的を実現するため、沖縄の歴史、文化に触れる場所を訪ねるとともに、沖縄の「今」を知ることを目的として辺野古も訪問致しました。この辺野古訪問の際、本校の生徒が米軍基地のフェンスにリボンを結んでいる様子を本校ホームページに掲載致しましたところ、一部の読者の方から、このような行為には政治的な偏重があり、修学旅行における活動として不適切ではないか等のご指摘をいただきました。
しかしながら、これは修学旅行生を含む多くの人々が、辺野古を訪れた際にされており、平和を祈る心の具体的表現として行ったものです。生徒たちは、様々に痛み、苦しむ人々に思いをはせ、「平和になりますように」との純粋な願いを、リボンを結ぶという形で表現をしたものであり、特定の政治的な意思を示すものとして行ったものでは決してありません。
本校と致しましては,今回の沖縄修学旅行が本校の教育理念の実践として意義深いものとなったと考えておりますが、今回複数の方からいただきましたご意見、ご批判につきましては真摯に受け止めたいと考えております。
今回いただいたご意見も踏まえ、本校の教育理念の実現と教育の公共性を総合的に勘案し、次年度以降の修学旅行の在り方について検討してまいります。
最後に、保護者の皆様をはじめ、本校関係者の皆様にご心配をおかけいたしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
聖ヨゼフ学園 京都暁星高等学校
校 長 玉 手 健 裕